グリーンチャンピオン

グリーンチャンピオンレポート 木と人・出会い館(こうちエコハウス)

  • 業種:モデルハウス
  • 従業員数:2 人
こうちエコハウスは、建物自体が「エコな暮らし方」をテーマに作られていて、省エネ設備の使用感や便利さを体験できるモデルハウスです。館長の塩田正興さんがグリーンチャンピオンになって取り組んでくれました。
「お天気のよい昼間は事務室は充分明るく、照明はほとんど使いません。曇りや雨の日は、電源スイッチが細かく分かれているので必要な箇所だけ無駄なく照明をつけられます。他の部屋も見学者が来たりイベントがある時以外は消灯しています」(塩田さん)
必要な箇所だけ無駄なく照明をつけることが出来る、木と人・出会い館

事務所の暖房はペレットストーブ

「夏場、風がある時は窓を開けると大変涼しいのですが、風がないときは事務所は暑くて大変ですので去年の3月末に事務所にエアコンをつけました。
冷房は午前中から使わず、昼に気温が上がってきて、来客があったら入れて、早めに消すことを心がけています。とにかくできるだけ無駄な電気を使わないように運営しています。」
「冬の暖房にはペレットストーブを使っています。空気を汚さない上に、とても暖かいですね。この建物は、暖めた空気が建物全体に広がっていく構造なので、穏やかな暖かさが続きます。ペレットストーブの運転は電気ですが、燃料費は1時間1キロで50円~60円で灯油とほぼ変わりません。毎日朝・昼・晩と室温と湿度を記録していますが、朝、事務所に来てすぐストーブを焚き、午後3時に消しても、5時の閉館まで室温はそのままの暖かさを保っています」(塩田さん)

エコな家の決め手は断熱

「このモデルハウスは断熱力を非常に高めた作りで、冷暖房効率を逃がさない快適な住環境になっています。10~20年前は家の断熱という観念がなかった日本でも、最近は家の断熱に力を入れる意識に変わってきています。」
「家の断熱で一番問題なのはガラス面です。窓がいちばん熱効率が悪く、冬は冷気が入り込みやすく、夏は暑さが入りやすいのでガラス戸を二重にするなど断熱対策が大切です。窓を覆う素材として最も断熱力が高いのは、圧倒的に『障子』です。
窓枠も大切ですね。日本で一般的に普及しているのは、実は熱効率が悪いアルミサッシがほとんどです。ヨーロッパの寒い国ではほとんどが木製の窓枠を使っています。木はやはり優秀なんですよ。
最近は断熱効率の高い樹脂製のサッシも出始めました。これから値段が下がってくれば、アルミに替わって樹脂サッシが普及してくるんじゃないでしょうか」
毎日朝・昼・晩と室温と湿度を記録

データが見えない省エネの取り組み

「事務所にパソコンは1台しかありません。水道も、昼のお茶、来客時のお茶などそれぐらいしか使いません。意識的に電気を使わないように節約して省エネをしていますが、残念ながらいったいこの建物でどれぐらい削減できているのかデータで確かめることができません。一般家庭とは電気の契約形態が違っているため、検針票がないのです。
エコハウスなのですから、もう少しエネルギーがどう使われて、料金が1ヶ月にどれぐらいかかるというのを、数字として見学者に示せたらもっとわかりやすく、プラスになると思うのですが、私自身もデータを知ることができません。」
「太陽光パネルもありますから、1日にどれぐらい電気を作り、どれぐらい使って、どれぐらい売電できているか『見える化』するのは良いことだと思うのですが。今のところ私たちにできることは、日々意識的に電気を使わないように節約しエコに貢献していくということぐらいしか方法がありません。今後何らかのリフォームや建築を考えている方がいれば、高知の木材に関する情報や、ここで得た省エネのアイデアをヒントに『エコな暮らし』を生活に取り入れてもらえたら嬉しいですね」

エコの意識を日常に

「家を建てても建てなくても、もっとみんなが『日々の暮らしの中で、どうすれば節約できるのか、エコに貢献できるのか』と考えてくれると、社会の意識も変わってくるのではないかなと思いますね。
家を建てようとする年齢層は3、40代の若い世代と、定年退職後の小さい家を建てようという世代がいちばん大きいです。例えば、建物に高知県産材を使うと県の補助があるとか、そういった情報も集めるといいと思います。宅地開発にしても、自治体や工務店がエコの意識を持って宅地造成、宅地開発できるようになれば、環境にもきっといいことができるはずだと思うんですよ」
グリーンチャンピオン 塩田正興さん
グリーンチャンピオン 館長 塩田正興さん

会社情報

木と人・出会い館(こうちエコハウス)
〒783-0086 高知県南国市 緑ケ丘1丁目1201−5
TEL:088-879-3304
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